
初めて富士山に登るけど、本当に必要な物だけをなるべく安く手に入れたい…
先日、初めて富士山に登頂してきました。
これまでは富士山どころか、登山自体ほぼ未経験。
1ヶ月前くらいから情報収集をスタートしました。
今後そんな頻繁に登山をする予定もないのでなるべく安く済ませたいものの、
- 結局何が必要で、何が不要なのか
- そもそも購入すべきか、レンタルすべきか
- 購入するならどこで買うのが安いのか
とかなり悩みました。
そこでこの記事では、登山初心者の僕が実際に富士登山に持って行った持ち物リストを公開します。
なぜ必要だったか、そしてどこで購入したかも詳しく紹介しているので初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
プロの登山家とはまた違った観点から記事が書けたように思います。


今回の富士登山における前提条件
最初に、今回の僕の富士登山における前提条件を記載しておきます。
この情報をもとに、これから紹介する持ち物リストを吟味してください。
僕の体力レベルと登山経験について
東京で働く29歳男性で、高校までテニス部でしたが大学以降は運動習慣ゼロ。体力はおそらく中の下。
今年30歳を迎えるということで、20代のうちにやっておきたいことの一つとして富士登山に挑戦しました。
以前、高尾山(東京)や弥山(広島)にはロープウェイを使って登山したことがありますが、どれもエンジョイの範疇。ガチ登山は今回が初めてです。
登山ルートについて
今回は富士宮ルートを選択しました。
初心者向けと聞いていたのと、今回一緒に登山した関西の友人2人と集合しやすい場所にしたかったからです。


宿泊した山小屋について
宿泊小屋には、新七号目にある御来光山荘という所を予約しました。
御来光(日の出)を拝むためには、一晩山小屋に泊まり、深夜に出発する必要があります。
七〜八号目で探していたのですが、唯一予約に空きがあったのがここだったので決めました。


富士登山の準備にかかった費用総額は?
今回紹介する“富士登山のために新しく買い揃えた装備品”の金額を合計すると、税込¥19,750でした。
その他に掛かった主な費用は下記です。(2025年7月の情報)
・御来光山荘宿泊代:¥12,000
夕食付き。3人1部屋で、1人当たりの金額。
・入山料:¥4,000
富士山入山にはアプリで事前登録が必要。その時に4,000円の費用が発生します。
・バス往復:¥7,000
三島駅という駅から、登山の入り口となる富士宮口五号目までのバス往復代です。
・食べ物、飲み物:¥4,000
山荘で飲み物を買ったり、パンやカップラーメンを買ったりしました。
山荘で買うペットボトルは1本あたり500円と割り高ですが、合計5本くらい買いました。
事前に買うと荷物になるので、背に腹はかえられません。
全部合わせると5万円くらいでしょうか。富士登山はわりとリッチなアクティビティになっています。
初心者が富士登山の持ち物選定で考えるべきこと
これから持ち物リストを共有するにあたり、先に2つ僕の考えを共有します。
今後ほぼ全くアウトドアの予定がなさそうならレンタルも視野
富士登山を終えた後、ほぼ全くアウトドアの予定が立ちそうにないのなら、レンタルという選択肢も十分ありだと思います。
登山入り口の五号目にあった「やまどうぐレンタル屋」の金額は下記でした。(2025年7月現在)
>やまどうぐレンタル屋 富士登山フルサポート12点セット・男性用 1泊2日 税込21,900円
>やまどうぐレンタル屋 富士登山まるごと6点セット・男性用 1泊2日 税込12,400円
(※6点セットは、12点セットから防寒着やトレッキングパンツ、帽子などを除いたもの)
先ほど僕の自費は19,750円だったとお伝えしましたが、フルセットでレンタルしても21,900円なので約2,000円ほどしか変わりません。今回の富士登山を人生1回切りだと決め込むならレンタルでもよいでしょう。
ただ、今後登山は行かないにしてもキャンプや釣り、ハイキングなど他のアウトドアで登山グッズを使う可能性は十分あります。僕はそれが理由で全部購入することにしました。
登山時の荷物は100gでも軽いほうが良い
登山中に痛感したのですが、荷物の重さは想像以上に体力を削ります。
標高が高くなるとともにどんどん気圧は低くなり、呼吸で酸素がうまく取り込めず、すぐ息切れを起こしてしまいます。
なので、なるべく荷物は軽くし、必要最低限のものだけを揃えるように注意してください。
最初僕は無知すぎて「山小屋でちょっと仕事しようかな」などと考えてMacBookをリュックに入れようとしていたのですが、本当に辞めてください。
登山初心者のための富士山持ち物リスト
ネット上を漁り倒し、調べ尽くした結果、最終的にはほぼワークマンでの店舗購入とamazonでのネット購入に至りました。
各アイテムにおいて、独断と偏見で必須度を星5段階で表しています。
新しく購入したグッズは括弧書きで購入先を記載しています。
〜持ち物リスト〜
<リュック>
・防水リュック ★★★★★ (ワークマン or amazon)
<服装>
・レインウェア ★★★★★ (ワークマン)
・フリース ★★★★★
・スウェット ★★★★☆
・シャツ ★★★★★
・ズボン ★★★★★
・パンツ、靴下など着替えの下着類 ★★★★★
・トレッキングシューズ ★★★★★ (ワークマン)
・帽子 ★★★★★ (amazon)
・ニット帽 ★★★☆☆
・軍手 ★★★★☆
・サングラス ★★★★☆ (ユニクロ)
・ヘッドライト ★★★★★ (amazon)
・ストック ★★★★☆ (amazon)
<食べ物、飲み物>
・スポドリ500ml×2 ★★★★★
・塩飴 ★★★★★
・グミやぷっちょなど甘いもの ★★★★★
・おにぎり ★★★★★
<小物類>
・モバイルバッテリー ★★★★☆
・ウェットティッシュ ★★★★★
・蒸気でホットアイマスク ★★★☆☆
・耳栓 ★★★★★ (ダイソー)
・100円玉、現金 ★★★★★
・頭痛薬など常備薬 ★★★★★
・日焼け止め ★★★★☆
これで全部です!
リュック
防水リュック
登山に持っていけるような大きめのリュックを持っていなかったので、こちらをワークマンで購入しました。
こんなにしっかりしててたった2,900円は信じられない。


気候の変化が激しい富士山では、万が一の雨に備えてある程度防水性のあるリュックが望ましいです。
あと、登山中はゴミを捨てることができず(山小屋でも捨てさせてくれません)空のペットボトルが大量にかばんの中に溜まります。
ゴミの分のスペース確保という意味でも大きめのサイズのリュックを持って行ったほうが良さそうです。
amazonも見てみると同価格帯で良さそうな商品があったので、必要に応じてお好みで調達してください。
服装
レインウェア
こちらもワークマン。「イナレムストレッチレインスーツ」というレインウェアを買いました。
上下セットで5,500円。この価格でこのクオリティのものは、他では見つかりませんでした。


「蒸レナイ」を逆からよんでイナレムらしい。
販促ページには何やら見慣れない単位が書かれています。
・耐水圧:20,000mmH2O
・透湿度:25,000g/㎡/24h
これは、簡単にいうと耐水圧は雨を防ぐ力を、透湿度はムレを防ぐ力を示すようです。
下記、モノタロウのレインウェアのページからの引用です。
耐水圧について:
“(中略) 野外活動の場合は10,000 mmH2O以上、登山など命に関わる現場では20,000 mmH2O以上は必要です。”
透湿度について:
“(中略) べたつきを防ぎたい場合は最低でも10,000g以上、可能であれば20,000g以上が理想です。”
出典:レインウェアの機能
https://www.monotaro.com/note/productinfo/rainwear/
どちらの水準もクリアしていますね。
※ちなみに、この記事ではかなりワークマンを推していますが、読者のあなたがこの記事からワークマンの商品を買っていただいたとしても僕には一銭も入ってきません…!本当に安くて良い商品だったから紹介しています。
フリース、スウェット、シャツ、ズボン
このあたりは特に新規で購入する必要はなく、手持ちのもので十分かと思います。
登山における服装の基本のキは“重ね着スタイル”だそうです。
標高に応じて気温の変化が激しくなるからこそ、着たり脱いだりして柔軟に適応できるようにしておくべきとのこと。
なので、1枚のごっついダウンを持って行くのではなく、軽め薄めのフリース+スウェットなどを持ち合わせておくほうが無難でしょう。
また、肌に触れるシャツやズボン、パンツは、必ずポリエステル製やウール製の吸汗性・速乾性のある素材にしてください。
登山して標高が高くなると「汗は沢山かいているのに外気は冷たい」という危険な状況になり、乾きにくい素材を着ていると一瞬で体温を奪われてしまいます。
トレッキングシューズ
こちらもワークマン。「トレックシューズエンリル」を3,500円で購入。
普段履きもできるレベルで履きやすく、デザインもそこまで悪くありません。


一緒に登山した友人二人は4,500円の「トレックシューズアジム」を履いてきていたので、こちらでも良いと思います。こちらのほうがハイカットで本格的という感じです。
帽子
富士登山は直射日光のオンパレード。
帽子は安く済まそうと思えば1,000円前後のものもあるのですが、ちゃんとUVカット&通気性を兼ねた高品質なものを持っていこうと思い、THE NORTH FACEの帽子をamazonで購入しました。
風が強いので、紐付きは必須です。


ニット帽、軍手
ニット帽は、深夜に御来光に向けて寒い中登山をするときに役立ちました。
後述のヘッドライトを付ける際にも、ベルトが直接頭に触れなくなるのでGoodでした。
手袋は、必要なさそうでかなり必要です。
富士山表面は本当にただの火山岩の塊で、想像の25倍くらい足場が悪いです。
手を使わないと登り降りできないスポットがたくさんありました。ただ、安い軍手で大丈夫です。
サングラス
ユニクロで何種類か試着して、「メタルオーバル」というものを2,000円くらいで買いました。


確かにサングラスを装着していると目が疲れにくくなり便利でしたが、ネットに書かれているレベルで必要かというと個人的にはそうでもない気がします。
基本的には、ほとんどの時間は足元に目線を落とした状態で登ったり下ったりする作業になるからです。
ヘッドライト
富士山にはもちろん街灯など立っていません。御来光めざして夜間に登頂する場合は絶対に必須です。
100均にも電池式のものが売っていましたが、amazonで1,300円ほどでUSB充電式のLEDライトを購入しました。
100均で買って万が一故障していたりしたら大変だからです。


ストック
スキーの時に両手に持つような棒のことです。
実は最初要らないと思って持っていかなかったのですが、一緒に行った友人は持ってきており、1本借りてみると想像以上に身体の負担が軽減されました。
先述の通り富士山の足場は相当悪く、本当に何度も転けそうになりながら(もしくは実際に転けながら)進むことになります。
そのような状況で、ストックによって支点が+1増えることの恩恵は想像以上に大きかったです。
ただ、個人的には両手でストックを持つ必要まではないと感じました。もう一つの片手はいろんなところを掴んで体を固定するために使いたかったからです。
2人で行くなら、2本セットを割り勘する形でちょうど良いと思います。
食べ物、飲み物
スポドリ500ml×2
ポカリやアクエリアスを、事前にコンビニで500ml×2本買っておきましょう。
1本だと足りないし、3本以上だと荷物です。
追加分はあきらめて途中の山小屋で1本500円で買いましょう。
塩飴
こちらをバス乗車前のコンビニで必ず買っておきましょう。めちゃくちゃ美味しい。


グミやぷっちょなど甘いもの
富士登山は想像以上に過酷です。なぜこんなに一般的なレジャーになっているのかわからない。
糖分は疲れを癒すだけでなく、そんな精神的な苦痛さえ軽減してくれます。
口の乾かないお菓子がおすすめです。
おにぎり
こちらは山小屋でいただいた夕食です。


男性にとっては量がやや少なめだったのと、16時頃に固定で出されるルールだったようで、どうしても夜にお腹が空いてしまいました。
事前にコンビニでおにぎりを2つほど買って行ったほうが良さそうです。
僕はカロリーメイトを持って行ったのですがすぐに食べ切ってしまい、夜お腹が空いて眠れませんでした。
小物類
モバイルバッテリー
なんと、山小屋にはコンセントがありました。どうやって電気を引いているんだ…
ですが、非常時に備えるためにも念のためモバイルバッテリーを持っていきましょう。
単体で充電器としても使える両用タイプがおすすめです。
ウェットティッシュ
富士山には電気は流れていても水は流れていません。
トイレがボットン式なのはもちろん、水で手を洗うことができないのでトイレの外にアルコール消毒液だけが置いてあります。
ウェットティッシュは必ず持って行くようにしましょう。
蒸気でホットアイマスク
山小屋の部屋には一応カーテンはあったのですが、ガンガン廊下の光が漏れてきていました。
睡眠の質を上げるためにもぜひ携帯しておきたい商品です。
耳栓
ダイソーで耳栓を買ったのですが、意外と遮音性が高くてビックリしました。
山小屋ではそこら中からいびきが聞こえていたので、購入を強くおすすめします。


100円玉、現金
富士山のトイレ利用には300円がかかります。
その他、飲み物を買ったり山頂で記念品を買ったりするときも現金が必要なので100円玉を多めに持って行っていけると便利です。
日焼け止め
僕は日焼け止めを塗らなかったのですが、帰宅後に首と顔の日焼けがひどく、塗っておいたほうがよかったと普通に後悔しました。
ただ、山小屋での夜はシャワーに入ることもできずベタついてしまうので、行きは塗らずに、山小屋を出発するときに塗るのがおすすめです。
富士登山で気をつけておけばよかったこと・後悔したこと
上りでは小休憩をこまめに取ると疲れにくい
高所では気圧が低くなり、すぐに息切れを起こしてしまいます。
しかし身体の疲れではないので、少し立ち止まって休んでいるとすぐに回復しました。
男性同士で登っていると競い合いの精神が出てしまい無理をしがちですが、こまめに休憩をとりながら進むともっとラクに登れたと感じます。
少しでも頭痛がしたら酸素ボンベ購入を検討する
ここまでは書いていませんでしたが、僕は山頂に到達したあたりからひどい高山病にかかってしまいました。
頭痛と吐き気がひどく、顔を真っ青にしながら3〜4時間下山し続けました。
僕は昔から頭痛持ちなので最初は単なる体調不良だと思っていましたが、麓に降りてバスに数分揺られているとすぐに元気を取り戻したので、後から高山病だったとわかりました。
高山病は体内の酸素濃度の低下が要因です。途中の山小屋には確か1,500円くらいで酸素ボンベが売っていたので、僕と同じように頭痛を感じたら迷わずすぐに酸素ボンベを購入することをおすすめします。
アマプラやNetflixであらかじめコンテンツをダウンロードしておく
山小屋の中はかなり暇でした。電波が弱いのでまともにスマホを使うことができません。
事前にアマプラやネトフリで観たい映画やアニメをダウンロードしておけばよかったと後悔しました。長時間のフライトと同じ要領です。
まとめ:富士山登頂してみての感想
20代ラストの年に、気の合う友人たちと富士山に登頂できたことはかけがえのない思い出になりました。
これからの人生、旅行中や新幹線、飛行機の中から富士山を目にするたびに「ああ、俺はここに登ったんだ」と思い出すことでしょう。
エピソードトークとしても1つの強力な引き出しを作ることができた気がします。特に、自分の人生に前向きに生きているエネルギッシュな知人たちはみんな、僕の富士登山のエピソードを楽しそうに聞いてくれます。
みなさんもぜひ人生の一番若い今、この記事の持ち物リストを参考に安全で楽しい富士登山を経験してみてください。